正肉の分け方について
「枝肉(えだにく)」とは、牛を食肉処理した際に内臓、四肢、頭、尾を切り離したものを指し、この中から取り出される肉を「正肉(しょうにく)」と呼びます。枝肉は、農林水産省が承認した「牛部分肉取引規格」に基づいて分割され、さらに詳細に分類されます。以下では、各部位ごとにその肉の特性に基づいて説明していきます。
牛肉部位図(正肉)
【正肉の部位の分類のポイント】:4つの大分割と更にそれを細かくした13の部分肉に分けられる。
枝肉は、まず「まえ」「ロイン」「ともバラ」「もも」の4つの大分割に分けられます。その後、これらの大分割から13の「部分肉」に細かく分割され、最終的には精肉店や焼肉店などの店頭に並ぶ用意がされます。
まえー肩ロース、肩バラ、ウデ(肩)
「まえ」は牛の前半身部分を指します。この部位には、細かな筋肉が密集しており、そのため赤身から霜降りまで、さまざまな肉質の部位が入り組んでいます。なお、ここでは「ネック」と「すね」の部分肉については取り扱っていません。
ロイン―リブロース、サーロイン、ヒレ
「ロイン」は、牛の背中、肩甲骨の下から腰にかけた部分を指します。この部位は柔らかく、ステーキに適した肉が取れます。一般的に、牛肉の部位としては最も人気が高く、最上級の肉が集まっています。
もも―ランイチ、そともも、うちもも、しんたま
「もも」は牛の後ろ半身を指し、通常は脂肪が少なくやや硬めの肉が中心ですが、最近では赤身肉の人気が高まり、この部位も注目されています。なお、「すね」の部分肉についてはここでは取り扱っていません。
ともバラ―中バラ、外バラ
牛のお腹側に位置する部位は「バラ」と呼ばれ、主にあばら骨周辺の肉です。この部位は肉質が硬めで、甘い脂が豊富に含まれているため、焼肉に最適な部位とされています。特に、タレとの相性が非常に良いとされています。