牛 まえ 肩ロース ザブトン
ザブトン【別名:ハネシタ、Chuck Flap】
肉の旨みとサシの美しさが、高次元で見事に一体となっています。
均一に細かいサシが全体に広がっているのは、優れたザブトンの特徴です。
【焼き方のポイント】
和牛の甘みと繊細な香り、濃い旨みのあるザブトンを、7~8mmにカットし、強火で両面10秒程度焼きあげる方法がおすすめです。
【ザブトンの特性】
〇肩ロースの下部で、あばら骨に近い箇所
〇均一にびっしりと配置された微細な脂身
〇脂の甘さと肉の旨味のベストな調和
肩ロースは牛の背中側で、首に近い位置にあります。特に「肩芯」という名前が付けられた部位は、あばら骨に近い位置に位置しています。この部位は四角い形状からその名前が付けられ、親しみやすい名称とされています。
見た目にも美しい特徴を持ち、細かなサシが均一に配置され、まさに芸術的な美しさを備えています。その美しさだけでなく、味わいも非常に素晴らしく、和牛特有の脂の甘み、繊細な香り、そして濃厚な旨みがこれに詰まっています。この部位は他のロース部位と比べてやや弾力があるため、肉本来の歯ごたえを十分に楽しむことができます。こうした特性が、多くの人にとって魅力的な要因となっているのです。
焼肉で楽しむ際には、薄切りにすることが最適です。また、塩やわさび醤油で食べるのも美味しい選択肢であり、タレを使用することでさらに素晴らしい味わいを楽しむことができます。肩ロースは、さまざまな食べ方で楽しむことができる、まさに多才な部位と言えるでしょう
地域によってカットも異なり、関東カットと関西カットが存在します。
関西で味わった肩ロースは、関東地域ではリブロースとして提供されることがあるかもしれません。少し突然の話題ですが、この背景にある理由を説明しましょう。
実は、関東と関西では肉のカット方法に微妙な違いが存在します。特に、肉を分割する際に「まえ」部分を切り離す際に注目すべきです。13本ある肋骨のうち、どこでカットするかがカギとなります。関東地域では、一般的には5本目と6本目の間でカットすることが多く、これにより「まえ」に含まれる部分が肩ロースとされています。対照的に、関西地域では6本目と7本目の間でのカットが一般的です。このわずかな違いにより、6本目の肋骨周辺の肉は、関東ではリブロースと呼ばれ、関西では肩ロースという名称が付けられることになります。これが、同じ肉であるにもかかわらず、地域によって名前が異なる背景です。
もう一つの観点から考えると、関東地域では肩ロースが小さくなり、その代わりにリブロースが大きくなるとも言えます。関東地域ではすき焼きやしゃぶしゃぶなどでリブロースが多く使用され、その需要に合わせてリブロースのサイズを大きくするために特定のカット規格が採用された可能性が考えられます。ただし、この理論が実際にどの程度の影響を持っているのかについては、正確な情報が必要です。